ユダの映画三昧 「ワン・チャンス」

映画「ワン・チャンス」を観ました。

2013年公開、イギリスの人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴッド・タレント」で優勝したことをきっかけにオペラ歌手となったポール・ポッツ氏の半生を描いた伝記映画です。監督デヴィッド・フランケルポール・ポッツ役はジェームズ・コーデン。

ウェールズに住む少年、ポール・ポッツはいじめられっ子、歌が得意で夢はオペラ歌手になることだった。ガールフレンド、ジュルズに背中を押され夢を叶えるためヴェネチアに留学したポールだったが、憧れのパヴァロッティに「一生歌手になるのは無理」と酷評されてしまう‥‥。

冷やかしの野次が飛び交うパブで、またクライマックスのオーディション番組では冷ややかな観衆を前に、ポッツ氏が類まれな歌唱力で聴衆を打ちのめすシーンは圧巻です。魂を揺さぶるポッツ氏の声は琴線に触れ涙を誘います。

‥‥が、残念だったのは歌はポッツ氏本人の物なのですが、コーデン氏の口の動きと合っておらず、興ざめする場面が多々ありました。

まあ、全編ほのぼのタッチのヒューマンなストーリーでした。ほとんどのレビューが「素晴らしかった」と書き込まれていましたが、ふと目に留まったレビューがありましたので抜粋します。

「たまたま金回り良くカタチだけ主人公のマネをしたとしても、それはかえって恐ろしく虚しい。昔の自慢話を繰り返し、つまらない人生を積み重ねて歳をとる父の姿は私たちの象徴だ。素晴らしい作品だが、見ないふりをしている自らの悔しい生き様をエグられる辛い映画。大半の人々はヤケクソで自分は幸せだと嘘をついて生きるしか術はないというのに‥‥」

うーむ。

皆さんはどの様な感想を持たれるでしょうか?

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ではまた、ご機嫌よう。

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ユダの映画三昧 「凶悪」

映画「凶悪」を観ました。

2013年公開。原作はノンフィクション小説「凶悪~ある死刑囚の告発~」です。

監督 白石和彌、出演 山田孝之ピエール瀧リリー・フランキー

スクープ雑誌「明朝24」に死刑囚須藤から手紙が届く。須藤に面会した記者の藤井が聞かされたのは3件の殺人事件の余罪とその首謀者「先生」と呼ばれる木村という男の存在だった‥‥。

山田孝之ピエール瀧リリー・フランキー、三氏の迫真の演技力が光っています。

ある1件のレビューに「知りたいという欲求に身を任せ凶悪さを調べることに快感を覚え、義憤という名の仮面を身にまとい、当事者以上に犯罪者への断罪を求める人たち」も「凶悪」さを含んでいる、というものがありました。

事件を追及するにつれ、まなざしが常軌を逸していく記者、藤井で何をアピールしたかったのか正直よく分かりませんでした。レビューを読んで「なるほど!」と思った次第です。ラストシーンでのリリー・フランキー演ずる木村のジェスチャーも理解できました。

「誰にも感情移入できない」意味不明な映画、というレビューも。

多少の曖昧と矛盾はこの作品の半ドキュメンタリーと言う特性を持って目をつぶらなければならないのかも‥‥。

「善良」と「凶悪」。何に依って人は振り分けレッテルを貼られるのか‥‥。

考えさせられる作品です。

救いようがなく暗く望みの無い作品ですので、精神レベルの落ちている方にはお勧め出来ません。

長く更新していませんでした。

また、読んで頂けると幸いです。

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ではご機嫌よう。

そらあかね45

映画「シャイン」を観ました。

1996年公開、監督スコット・ヒックス、脚本ジャン・サーディ、主演ジェフリー・ラッシュ

厳格な父親のもと、ピアニストになるべく英才教育を受けていたデヴィッド、英国王立音楽院に留学する話が持ち上がるがそれを許されず家を飛び出して英国に渡る。父親との対立、過酷なピアノレッスン、彼は精神を病んでしまう‥‥。

実在のピアニストデヴィッド・ヘルフゴットを演じたジェフリー・ラッシュは第69回アカデミー賞でオーストラリア人として初めて主演男優賞を獲得しました。

調べてみるとかなり事実を歪曲した作りになっているようです。レビューにもそんなコメントが多かったですが「映画」としては魅力ある作品に仕上がっていると思います。「伝わるものが素晴らしければ映画として成功」というレビューも。私も同感です。

「障害者を扱う内容、障害者を演じることはオスカーへの確実な近道」とのレビューもありましたね。うーむ‥‥。

主人公の青年期を演じたノア・テイラーも上手い役者さんです。当時28歳だったらしいですがデヴィッド少年を好演しています。コンクールの「ラフマニノフ第3番」演奏シーンのお芝居はものスゴイです。

バーにふらりとやって来た中年のデヴィッドを冷遇したバーの酔客たちが彼のピアノを聴き打ちのめされるシーンも良かった。

ジェフリー・ラッシュはこの作品の出演にあたり少年期にやめていたピアノレッスンを再開し役に挑んだそうです。

演奏シーンの手の出演はヘルフゴット氏本人のものらしいです。

クラシックファンにはサントラ盤も聴いて欲しいですね、おススメです。

 

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そらあかね44

映画「イングリッシュ・ペイシェント」を観ました。

1996年公開、M.オンダーチェの同名小説の映画化です。

監督A.ミングラ、出演レイフ・ファインズジュリエット・ビノシュ

第二次大戦さなか、北アフリカの戦場で撃墜された英国の飛行機から全身に火傷を負った男が救出される。記憶を失っているため「イングリッシュ・ペイシェント(=英国人の患者)」と呼ばれ、カナダ人看護婦ハナが献身的に看護を続ける‥‥。

第69回アカデミー賞で8部門を受賞した作品です。

ざっと言えば大戦前後を舞台にしたラブストーリーですが、重傷を負った男の回想の世界とハナに看護されながらの日常が錯綜しながら進むストーリー展開で見応えのある壮大な作品に仕上がっています。

ただ最後の最後まで見ないと、この作品のテーマが見えて来ません。尺が長いので近年のジェットコースター・ムービーに慣れている方にはおススメ出来ません。

私個人的に、ハナ役のビノシュは大好きな女優さんのひとりです。オトナの女性なのに幼い女の子のように無垢な一面を持ち合わせていて、絶世の美女ではないのですが、ミステリアスでキュートです。80年代のカラックス監督の3部作「ボーイ・ミーツ・ガール」「汚れた血」「ポンヌフの恋人」も良かった!観てください!!

主人公アルマシーに対して人妻キャサリンが言った「自分だけに感情があると思わないで」のひと言が心に残りました。

アラビアのロレンス」を彷彿とさせる砂漠の景観は素晴らしいですよ。

エンド・ロールで流れる曲はJ.S.バッハの「平均律」です。

 

二日ばかりちょっぴり雨が降りましたがまた晴れましたね。

寒くなりました。暖かくしてお過ごしください。

 

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そらあかね43

映画「タクシー・ドライバー」を観ました。

1976年公開、監督マーティン・スコセッシ、主演ロバート・デニーロ

第26回カンヌ映画祭パルム・ドール受賞作品です。

舞台はニューヨーク、小さなタクシー会社でドライバーとして働く、元海兵隊員のトラヴィスはドラッグや性に溺れる若者や夜の街の退廃ぶりにウンザリしている。ある日、選挙事務所の前を通りかかり、そこで勤務する美しい女性に心魅かれる‥‥。

まだ13歳のジョディ・フォスターが娼婦役で出演しています。

公開にあたり血糊の生々しさからXレート(=16歳以下入場禁止)指定を受けました。

まだ若く、痩せっぽちでナーバスなまなざしのデニーロが印象的です。

ラストの自分をこっぴどく振った女性をタクシーに乗せ、夜のニューヨークを流すシーンは良かったです。娼館を襲撃し、まだ幼い少女を救出したことでトラヴィスはヒーローになっています。言い訳をする彼女に彼は微笑みだけで答え、運賃も受け取らない。ニヒルです。

淡々をしたストーリー展開、ジワリジワリと狂気に支配されていくトラヴィスを出ニーロが見事に演じ切っています。

レビューの中に「僕はベトナム戦争を経験したことはないし、ニューヨークに住んだ経験もない、だから共感できなかった」とありました。なるほど、と思いました。

終始、車窓から風景を眺めているような‥傍観者的な‥リアルでない‥?何かを感じていましたが、あぁそうか!と、このレビューを読んで思いましたね。

エピソードです。

作品もヒットしましたが、テーマ曲もよく知られています。バーナード・ハーマンによるスコアですが、この映画で最後のレコーディング・セッション終了後、12時間後、彼はお亡くなりになっています。

 

比較的長く続いている晴天ですが、今夜から明日にかけて雨天のようです。

お洗濯は早めに済ませましょう。

 

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そらあかね42

映画「メン・イン・ブラック」を観ました。

1997年公開、監督バリー・ソネンフェルド、出演トミー・リー・ジョーンズ、ウィル・スミス。スピルバーグが製作総指揮をつとめています。

若手刑事ジェームズは追跡中に自殺した男が地球外生物であることを知る。突然彼の前に現れた黒服の男「K」からエイリアン達が犯罪や侵略行為にでないように監視し、彼らの存在を世間から隠すことを任務としているMIB(メン・イン・ブラック)という秘密組織へのスカウトを受ける‥‥。

映画製作の際のエピソードとして当初エージェント「K」役にはトミー・リージョーンズではなくクリント・イーストウッドが打診されていたそうです。

登場するエイリアンたちの姿がどこかユーモラスで親しみが湧きます。

作品の傾向上、映像技術が駆使されていますが現代のSF映画と比べてもその出来はそれほど遜色ありません。

レビューではエージェント「K」と「J」の掛け合いの面白さが評判になっていますね、日本語吹き替え版を観たのですが字幕版で観たかったです。

MIBシリーズはあと2と3もあります。私はそちらはまだチェックしていませんが、「1をまず観てからの方が楽しめる」というレビューがありましたよ。

アルキリアン帝国の王の遺言「オリオンのベルト」がオリオン座のことではなく愛猫の名であり、その「首輪」のことだといいうオチはロマンチックです。

ストーリー構成の荒さが目につきますがあくまで「SFコメディ」ですんで、楽しんで観たいものです。

エージェントたちが身につけている時計がカッコイイですが、「ハミルトン」という時計だそうです。余談ですが。

ではまた明日。

よい気候になりましたね。

 

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そらあかね41

映画「博士の愛した数式」を観ました。

2006年公開、監督小泉堯史、出演寺尾聰深津絵里吉岡秀隆浅丘ルリ子

小川洋子の同名小説の映画化です。

交通事故の後遺症で記憶が80分しか続かない元数学者「博士」と彼の身の回りの世話をするべくやって来た新しい家政婦「私」とその息子「ルート」の心の交流を描いた作品です。

大変感動したレビューがありましたので一部引用させて頂きます。

「慈しむものに対して、人は(否定)の気持ちを持たない。80分しか記憶を持たない者に対して、一人で生きていく女性に対して、力も知識もお金も持たない者に対して、決して(否定)しない。その(否定)の無さが人々の心を暖め、今その暖かさを求める人が多いのではないだろうか」

派手な演出の映画が多い中、このような丁寧な作りの作品は返って目立ちますね。

ストーリーとキャスティングのバランスが大変良いです。

原作は「博士」と義姉の不義の恋にスポットが当たっているらしいですが、映画ではエピソード的に扱われています。

事故で記憶の蓄積が不可能になり全て忘却してしまうのに義姉への愛だけは美しい記憶として揺るがず生き続ける。切ないですね。

静かなストーリー進行と映像の美しさ、オトナの映画だと思います。

秋の夜長、こんな映画を観て過ごしてはいかがでしょうか?

 

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