そらあかね41
映画「博士の愛した数式」を観ました。
2006年公開、監督小泉堯史、出演寺尾聰、深津絵里、吉岡秀隆、浅丘ルリ子。
小川洋子の同名小説の映画化です。
交通事故の後遺症で記憶が80分しか続かない元数学者「博士」と彼の身の回りの世話をするべくやって来た新しい家政婦「私」とその息子「ルート」の心の交流を描いた作品です。
大変感動したレビューがありましたので一部引用させて頂きます。
「慈しむものに対して、人は(否定)の気持ちを持たない。80分しか記憶を持たない者に対して、一人で生きていく女性に対して、力も知識もお金も持たない者に対して、決して(否定)しない。その(否定)の無さが人々の心を暖め、今その暖かさを求める人が多いのではないだろうか」
派手な演出の映画が多い中、このような丁寧な作りの作品は返って目立ちますね。
ストーリーとキャスティングのバランスが大変良いです。
原作は「博士」と義姉の不義の恋にスポットが当たっているらしいですが、映画ではエピソード的に扱われています。
事故で記憶の蓄積が不可能になり全て忘却してしまうのに義姉への愛だけは美しい記憶として揺るがず生き続ける。切ないですね。
静かなストーリー進行と映像の美しさ、オトナの映画だと思います。
秋の夜長、こんな映画を観て過ごしてはいかがでしょうか?
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