そらあかね11
今日は何のお話をしましょうか。
昨日が映画ネタだったので、と言うワケではありませんが今日も映画の話をします。
高校入試前夜、今はもう無い中心街にある小さな映画館に「さらば青春の光」を独りで観に行きました。
いわゆる「モッズ・ファッション」に身を包みギラギラにカスタムしたオートバイを乗り回しロック音楽を好んだ不良少年達(=モッズ)の栄光と転落を描いた作品でした。
全編に「ザ・フー」のアルバム「クアドロフェニア(四重人格)」が流れて居て、ストーリーとシンクロした歌詞がスクリーンに出ました。
ラストシーン、絶望した主人公ジミーが例のギラギラのオートバイでドーバーの崖をフルスロットルで登って行きます。その時流れていたのは「I've had enough」でした。
生きるのもたくさん、死ぬのもたくさん、笑うのも泣くのもたくさん、ダンスホールもドラッグも喧嘩も、もうたくさんだ、的な内容でしたっけ。
私はまだティーンエイジャーでしたが大変オトナびて居て、というより疲れて冷めて居ました。
偏差値のみで学生を測り、甲乙のレッテルを貼ろうとする無茶な日本の学校教育に独りで反抗して居ました。その映画を観たかったのは、そんな当時の背景がありました。
「I've had enough」は悲惨なシーンには不釣合いな程、軽快なメロディの曲だったと記憶して居ます。リフレインされる「愛だけが僕を支配する」のフレーズ。
青年の姿は無く、崖から落ち岩盤に叩きつけられ粉々に粉砕するレジスタントの象徴たるオートバイ。「ユー・ストップ・ダンシング!」の叫びでエンドロールというクールな映画でした。
終わっても余りの衝撃に立つ事が出来なかったのを覚えて居ます。
「愛だけが僕を支配する」
「愛」がどんな物なのかも知らない頃でした。
あれから30余年、私は相変わらずくたびれて居ますが、長いモノに巻かれて巻かれて、拳をあげる事も面倒になってしまいました。
皆さんの若い頃はどうでしたか?
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