そらあかね9 - soraakane2’s diary

「血や涙をながしている人が一番ダメージを受けてると思うのは間違いだよ」と年寄り臭い自論をヒラヒラさせた時、「深いですね」と呟いた女の子（私の娘でもおかしくない年頃です）が私を卒業して行きました。

連絡が取れなくなったのですが、そこには彼女の意志がはっきり見て取れるのです。

「はい」も「いいえ」も言えなかったのに。

「右」も「左」も決められなかったのに。

大変な成長です。

人恋しくなった時など、家に呼びつけては長く引き止めたものです。

私は彼女の美しい容姿とそれに釣り合った美しい心が好きでした。

好きというより執着して居ました。

突然離れて行った彼女を不義だと心で責めた事もありました。

けど、私の知らないうちに強くなった（のであろう）彼女をむしろ喜んで送り出してあげるのが筋の様な気が、今はしています。

少しさびしい夏の終わりの事でした。